出張マジックの様子

カナダ大使館

実は昨年も依頼があったのだが、別のマジックショーの先約があったためお断りをしてしまったのであるが、今年もオファーが来た。クライアントは全くの別だったようであるが、とにかくカナダ大使館からオファー! なんかセレブな感じである。

場所は青山一丁目駅を降りて徒歩3分。四番出口を出たが、どこをどう行けば下界に出られるのであろう。田舎者マジシャンはキョロキョロ。ようやく下界に出て歩くこと数分、なかなかそれらしい建物が見当たらない。3分以上は歩いた感じ、もしや反対方向に歩いているのでは? 目の前にホテルらしき建物。ボーイさんらしき人がいる。あの人に聞いてみよう。と思ったら後ろから声をかけられた。今回ショー出演を紹介していただいた芸人派遣会社の方である。あれ? ここですか? そう、この一見ホテルのような建物がカナダ大使館だそうだ。

大使館というと、鉄製の大きく高い扉があり門兵が恐い顔をして立っているイメージがあるが、普通に入れる。身分証明書の提示もない。荷物検査もない。なんか普通にホテルのロビーに入る感じだ。エスカレーターで地下一階に下りてクライアントとご挨拶。そうか、ここは大使館そのものではなく、大使館直営のレストランのようなものらしい。とりあえず日本語と英語とフランス語が入り混じる会場を下見。

本日は某外資系カンパニーの創立記念パーティーなのだ。控え室に入ると綺麗な女性が4名。狭い。。荷物が散乱していて、高校の部室の様だ。今夜生演奏するカルテットの方々が笑顔で迎えてくれた。綺麗な女性に私も愛想よくニコニコ顔。机の上にはバイオリン、床には大きなチェロが置いてある。この美女4人が演奏するそうだ。すごい。そしてその生演奏中にマジックを演じる段取りになっているらしい。

とりあえず落ち着かないので着席し準備をしていると、トランプ柄のネクタイを見つけて「あ!マジシャンの方ですか!」と。トランプ柄のネクタイは威力があるようだ。「何か見せてください!」プロアマ問わずマジシャンにとってこのセリフほど心地良いものは他には無いであろう。ということで控え室マジックショーが始まってしまった。ジャックの探偵をワンルーティン演じただけであったが、皆さん非常に驚いていただけたようで、肩慣らしは上々であった。

まだ出番まで1時間以上あるので、派遣会社の方にマジックをお見せする。そしてカードマジックの優しいものを3つレクチャー。どれも優しく演じることができインパクトのあるものばかり。他にもコインマジック等を披露して楽しんでいるうちに登場時間だ。

生演奏が始まりいざ出場。ところが司会の方が私を紹介しなかったまま、普通にテーブルに行ってマジックをする羽目に。しかもテーブルの周りに人がいない。。。それに今まではウェルカムドリンクタイムだったようで、今から食事が始まった感じ。皆ビュッフェに群がって皿に料理を乗せている。食べている。俺は紹介されていない。。。うお! ピンチだ! 
それでも近くのテーブルに座っている若い男性2人にマジックを披露。最初は高飛車でつまらなそうな態度だった男性もアンビシャス2回目からは「おお!」と思わず声を上げたようだ。そしてその男性からチップを頂いてしまった。「いいから取っておきな」みたいな感じであったが、最高のご褒美である。

2テーブル目でようやくテーブルを囲むようにお客さんが集まってきた。そしてトライアンフで選んだカードを出して、サインさせてアンビシャス2回と、最後はネクタイへの飛行アンビシャスでフィニッシュ。思わずトレビアーン!と言ってしまった。
カナダは英語とフランス語が公用語。本日の参加者も40%がフランス人とのことだ。

ここでようやく司会者の方に私を紹介していただいた。滑らかなフランス語で紹介され、拍手され、すっかり上機嫌。紹介される前は 「ただのマジック好きの変な客、こんな奴いたっけ? 誰?知ってる?」見たいな感じだったかもしれません(^O^)

その後3テーブルほど回り、あちこちで拍手を浴びているうちに30分間の生演奏が終わり、テーブルホッピングも終了となった。

あっという間の30分であったが、私自身非常に楽しめた。そして皆さん日本語が上手。私は当初からオール日本語で行こうと思っていたが、全然問題なかったようだ。そしてリアクションも「ワーオ」「フフーン」とか乗りも良い感じだ。ただ酔っ払いでハイテンションな方もいなかったので、上品で気品溢れる立食パーティーであった。

私の演じたマジックはトライアンフとアンビシャス、一部テーブルではジャックの探偵や小川心平さんのアンビシャスなどを演じた。特に失敗もなく皆さんに不思議さと楽しさが伝わったかと思う。
がしかし、もっと自分の芸を磨いて、テーブルに皆が集まってくるぐらいのパワーを身に付けたいと思う。1テーブル5分程度しか時間が取れなかったが、たった5分でももっとパワーとオーラが出せれば、それこそ「一流」なのかもしれない。秋葉原の該当販売のおじさんたち、路上大道芸の方達などをイメージしながら、「俺はまだまだだ!」と自分を戒め、反省。そして帰りの電車の中ではそんなことばかり考えてました。

右の写真は本日カードにサインして頂いたものです。全て「好きなカードを選んでください」と表向きで 選んでもらったものです。男女の別、国籍の別を問わず赤いカードを選ぶ方が多いようです。お一人だけジョーカーをチョイス!(^O^)

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