フジテレビが毎年夏に企画するお台場冒険王！ そこで開催されている不思議城のステージ屋外広場でマジックをすることになった。
屋根も冷房も無い炎天下だ。海が近いので常に強い風が吹いているというマジシャンにとっては最悪の条件のなかで、マジックを演じることになる。
控え室はキンキンに冷えているのだが、外はめちゃくちゃ暑い。それでも道行く人にマジックを演じる。これはクロースアップというよりストリートマジックである。
お客さんはマニアではないので、わかりやすい現象で短時間で完結するものが望まれる。そこで私が用意したネタは以下のとおり。
2.チャイナリング
3.チャイニーズステッキ
4.のびるスプーン
5.ロープの切断と復活
6.ロープの鋏エスケープ
最初の出番は12時45分からの15分間。仲間のマジシャン（青い空さん）と2人で出撃だが、なかなかお客様が集まらない。
アトラクションを待っている行列に向かってマジックを披露。これが意外に受けた。お客さんは暇だから当然見てくれる。しかし青い空さんはカードマジックをやっていたのだが、お客さんは列が進むに連れて移動するので、選んだカードをもったお客様も移動。。これには焦るしかない。
入り口行列付近は彼に任せて、私はアトラクションの出口で演じたが、すぐに子供たちに囲まれてしまった。そしてアピケンからチャイナリング、伸びるスプーンで大盛況でした。
そしてあっという間の15分間。そして控え室に戻り作戦会議だ！
次の出番は2時45分だ。アトラクションの入り口に行列を作っているところでは演じずに、アトラクションの出口に照準を絞った。
私のアピケンで注目を浴びると､その後は青い空さんにバトンタッチをする。後の演技は彼に任せて、私は少し離れた場所でチャイナリングをチャランチャラン。演じる時間が調整でき、現象がはっきりしているこのマジックはかなり受けが良かった。そして続いて伸びるスプーンやチャイニーズステッキで大盛り上がり！
そう、ここお台場冒険王ではマジックの流れを途切れさせてはいけない。マジックが一つ終わって拍手が起きて、そのままマジシャンがなにも次のアクションを起こさないと、もう終わりだと思って客足が流れていってしまうのだ。引き止めておいてもっとマジックを演じなければならないので、ドンドン続けてマジックを演じるようにしなければならない。
4回目には日陰の範囲も広がり、そこにお客さんが自然と休息を取っているので、楽に集客ができる。子供を中心とした家族連れが圧倒的に多いが、皆マジックを見る目は真剣である。そして5回目の最後のステージでは、観衆にぐるりと囲まれてしまう嬉しい状況ができ、マジシャン冥利に尽きる一瞬であった。
